2014年01月26日
マクガイア・リグとSTABOハーネスの比較
(関連記事)
マクガイア・リグ その特徴と運用

(SOGのトレードマーク H-34から降ろされたマクガイア・リグから見た光景)
プロジェクトデルタでマクガイアリグが開発されると、SOGでもすぐに使われ始めました。
最大30mの高さでホバリングしたままチームを回収できるマクガイア・リグはすぐに成果をあげ、多くの隊員の命を救うこととなりました。
しかし先の記事にもあったように、隊員たちに極度のストレスと苦痛を与える、細い帯状の構造
そして負傷者など自分で姿勢を保てない者を運搬できないという欠点も浮上しました。

マクガイア・リグに代わる抽出具を渇望したSOGはやがて、1969年にSTABOハーネスを開発し運用を始めます。
これを見て「プロジェクト・デルタの偵察チームでもSTABOハーネスを採用しよう」という声が上がりました。
しかしこの提案は却下されてしまったそうです。
コストが高く制作時間も長いSTABOハーネスを、プロジェクト・デルタ全体に行き渡らせるのは不可能と判断されました。

(なんかSF映画っぽい)
というのも、プロジェクト・デルタにおいては、参加するすべての隊員・・・偵察チーム、BDAに就くヌン族、レンジャーなど
全ての隊員に対して緊急脱出できる能力を付与する必要があったからです。
個人装備の一部に組み込まれるSTABOハーネスは全員に行き渡る数を用意しないとなりません。
しかしあらかじめヘリに用意されているマクガイア・リグならは、プロジェクト・デルタ全体で20~30組ほどを揃えておけばok
一度に抽出に向かうヘリがマクガイア・リグを積んでさえいれば事足ります。
仕事は同じSTABOとマクガイア・リグですが、一番性格が異なるのはここですね。
また、もしヘリごと撃墜されたり人数が増えて不足しても、容易に制作できるので必要な分はすぐに用意できるとの判断でした。

STABOハーネスは快適性でマクガイア・リグに大きく勝っていました。
釣られているとき、マクガイア・リグは痛い上に1時間ずーっとバランスとってなきゃなりませんが
対するSTABOは、ただ釣られてるだけ。
STABOは吊られてる間でも両手がフリーであるという利点がありました。
地上の敵に対し反撃することが可能です。
対するマクガイア・リグは乗っているあいだ、隊員は自分のリグやほかの隊員のリグにつかまって、
自分が落下しないよう神経を尖らせながらバランスをとり続ける必要があります。
このような状態では片手で銃を持つことはできても、狙って当てる余裕などないでしょう。

作戦中、マクガイア・リグは地上にいちいち抽出具を携行する必要がありません。
マクガイア・リグは必要になったときには必ずそこにある確実性があります。
対してSTABOの場合、もしも作戦中に装備ごとパージしてしまったならば、隊員は抽出のチャンスを失うことになります。
(とは言ったものの、そんなことするシチュエーションあるのだろうか? パージすんのせいぜいラックサックだけだろうし)
STABOハーネスはM1956 LBEより重い上、M1956サスより細いですから、より肩に喰い込みます。
数日間装備し続けるとなると、この差は結構大きいかもしれません。
STABOはラックサックとの相性も良くなかったらしいです。
一部の実物STABOハーネスには肩の部分にシリコンが封入されてるものがあったりもします。
(追記:一部の実物、ではなくてベトナム戦争後に使用されたSTABOハーネス)
またラックサックのように、STABOに肩パッドを自作してつけてる隊員もたまーに見られたりします。
(そもそも自作ではなくてそのまま最初からついてたモデルもあったのではないかと)

(よくみるとSTABO装備してる……ってか、こんなガタイの良いNVAがいただろうかね!
トレイルで勤務したNVAは南方の日本兵のように、みな栄養失調でガリガリだったのだから)
あとデルタのSTABO採用反対理由に
「ロードランナー達はNVAの制服を身にまとうのに、STABOハーネスを装備させるのってどうなの?外見的に不自然じゃね?」
的なのもあったとか。
いっぽうのSOGはと言うと、黒装備だろうとNVAだろうと何ら気にせず装備してんですけどね。
て訳で、こんな要因もあったりなかったりして、1969年にSOGはSTABOへとシフト
プロデは依然としてマクガイア・リグに頼る という構図が出来上がったのでした。
マクガイア・リグ その特徴と運用

(SOGのトレードマーク H-34から降ろされたマクガイア・リグから見た光景)
プロジェクトデルタでマクガイアリグが開発されると、SOGでもすぐに使われ始めました。
最大30mの高さでホバリングしたままチームを回収できるマクガイア・リグはすぐに成果をあげ、多くの隊員の命を救うこととなりました。
しかし先の記事にもあったように、隊員たちに極度のストレスと苦痛を与える、細い帯状の構造
そして負傷者など自分で姿勢を保てない者を運搬できないという欠点も浮上しました。

マクガイア・リグに代わる抽出具を渇望したSOGはやがて、1969年にSTABOハーネスを開発し運用を始めます。
これを見て「プロジェクト・デルタの偵察チームでもSTABOハーネスを採用しよう」という声が上がりました。
しかしこの提案は却下されてしまったそうです。
コストが高く制作時間も長いSTABOハーネスを、プロジェクト・デルタ全体に行き渡らせるのは不可能と判断されました。

(なんかSF映画っぽい)
というのも、プロジェクト・デルタにおいては、参加するすべての隊員・・・偵察チーム、BDAに就くヌン族、レンジャーなど
全ての隊員に対して緊急脱出できる能力を付与する必要があったからです。
個人装備の一部に組み込まれるSTABOハーネスは全員に行き渡る数を用意しないとなりません。
しかしあらかじめヘリに用意されているマクガイア・リグならは、プロジェクト・デルタ全体で20~30組ほどを揃えておけばok
一度に抽出に向かうヘリがマクガイア・リグを積んでさえいれば事足ります。
仕事は同じSTABOとマクガイア・リグですが、一番性格が異なるのはここですね。
また、もしヘリごと撃墜されたり人数が増えて不足しても、容易に制作できるので必要な分はすぐに用意できるとの判断でした。

STABOハーネスは快適性でマクガイア・リグに大きく勝っていました。
釣られているとき、マクガイア・リグは痛い上に1時間ずーっとバランスとってなきゃなりませんが
対するSTABOは、ただ釣られてるだけ。
STABOは吊られてる間でも両手がフリーであるという利点がありました。
地上の敵に対し反撃することが可能です。
対するマクガイア・リグは乗っているあいだ、隊員は自分のリグやほかの隊員のリグにつかまって、
自分が落下しないよう神経を尖らせながらバランスをとり続ける必要があります。
このような状態では片手で銃を持つことはできても、狙って当てる余裕などないでしょう。

作戦中、マクガイア・リグは地上にいちいち抽出具を携行する必要がありません。
マクガイア・リグは必要になったときには必ずそこにある確実性があります。
対してSTABOの場合、もしも作戦中に装備ごとパージしてしまったならば、隊員は抽出のチャンスを失うことになります。
(とは言ったものの、そんなことするシチュエーションあるのだろうか? パージすんのせいぜいラックサックだけだろうし)
STABOハーネスはM1956 LBEより重い上、M1956サスより細いですから、より肩に喰い込みます。
数日間装備し続けるとなると、この差は結構大きいかもしれません。
STABOはラックサックとの相性も良くなかったらしいです。
一部の実物STABOハーネスには肩の部分にシリコンが封入されてるものがあったりもします。
(追記:一部の実物、ではなくてベトナム戦争後に使用されたSTABOハーネス)
またラックサックのように、STABOに肩パッドを自作してつけてる隊員もたまーに見られたりします。
(そもそも自作ではなくてそのまま最初からついてたモデルもあったのではないかと)

(よくみるとSTABO装備してる……ってか、こんなガタイの良いNVAがいただろうかね!
トレイルで勤務したNVAは南方の日本兵のように、みな栄養失調でガリガリだったのだから)
あとデルタのSTABO採用反対理由に
「ロードランナー達はNVAの制服を身にまとうのに、STABOハーネスを装備させるのってどうなの?外見的に不自然じゃね?」
的なのもあったとか。
いっぽうのSOGはと言うと、黒装備だろうとNVAだろうと何ら気にせず装備してんですけどね。
て訳で、こんな要因もあったりなかったりして、1969年にSOGはSTABOへとシフト
プロデは依然としてマクガイア・リグに頼る という構図が出来上がったのでした。