2015年01月14日

mcguire rig source document

マクガイアリグに関する英文と日本語訳のメモが埋もれていました。
読みにくいですがもったいないので整理せずそのまま投稿してしまいます。





They were flown out of the danger area and then set down in a clearing in order to board the helicopter.
隊員はMcGuire Rigに吊されたま旦危険地帯を抜け、安全な地帯に達すると一旦隊員を降ろしヘリに乗り込ませる。
On a long flight the harness proved to be extremely uncomfortable.
Rigにつられた状態での長時間の飛行は、隊員に極度の疲労を与えてしまう。
From the pilot's standpoint, performing an extraction using a McGuire Rig required intense concentration.
Once the soldiers were in the rig, the pilot would attempt to hover straight up.


パイロット側の観点から見ると、McGuireRigを用いた抽出は非常に集中力を要求される作業である。
CPT John W. "Jack" Green, III, flying a UH-1B for the 145th Airlift Platoon in support of Project Delta was the first pilot to utilize the McGuire Rig in an emergency extraction.
プロジェクト・デルタを支援する第145エアリフト中隊でUH-1Bを操る John W. "Jack" Green3世大尉は、McGuireRigによる非常脱出を初めて実施したパイロットである。
In mid-1966, 145th was blended into the 281st AHC which then assumed the mission of supporting Project Delta. Due to intense training with the MACV Recondo School and on the job training with Project Delta, the 281st AHC became highly proficient in usage of the McGuire Rig.
1966年中頃、第145中隊はプロジェクト・デルタを支援する任務を担う第281アサルトヘリ中隊へと組み込まれた、編入された。


(調べた結果ニャチャンに展開していた145th Aviation Platoon in 145th Aviation Battalionという部隊があった。
全体的にはよくわからないものの、ヘリ部門があって、1966年よりニャチャンにおいて5th SFGの支援を行う任務に就いていたようである。Project Deltaの支援任務と解釈していいのだろうか。この145th小隊は1966年に281th Assalt Hericopter Companyへと編入された。)

ーここまで緑のサイトー



McGuire Rigは以下の場合に使用される。


・抽出用ヘリが着陸できない地点で抽出する場合
・低空でホバリングできない場合
・Extraction Rudder、抽出ハシゴの長さ=35Feets (10.668m)
 この長さが地上まで足りない場合

プロジェクト・デルタがベトナム戦争中実施したLRRPなどの任務において偵察チームの浸透・撤収に使用されたヘリコプターは、主にアメリカ陸軍第281強襲ヘリ中隊のUH-1D/H であった。偵察チームが危険にさらされた場合や敵の追撃を振り切れなくなった場合などには、チームは緊急脱出を要請した。この緊急脱出はしばしばマクガイア・リグと呼ばれる装置によって完遂された。
 マクガイア・リグは、抽出用ヘリが着陸できない地点から抽出を行う場合、低空でホバリングできない場合、脱出用ハシゴの長さが地上まで足りないなどの場合(約10m)に使用される手段である。ヘリがチームから最低でも30m以下の高度に降下できたならば、マクガイア・リグがチームに向けて投下されチームはロープで抽出される。
 全長15in (4.572m) 幅3in (76.2mm) ナイロン製のシンプルなストラップが男性が座るのに十分な直径の輪を作っており、このアッセンブリはA7Aと呼ばれる。(A7Aストラップはファティーグのベルトとしても使用された。SF隊員やヤードが着用する画像がたまにある)
これには小さな手綱になるストラップが付属しており、隊員はこれに掴まってケガや落下を防止する。
A7Aストラップの先端には長さ120Feet(36.589m) 直径1/2in (12.7mm)のナイロン製ロープが繋がる。
これらはヘリ左舷に搭載されたグリスウォルド・コンテナ(厚いキャンバス製の武器格納容器)に収納される。
ナイロン製ロープはS字に折りたたまれゴムバンドによってキャンバス生地に結束され、グリスウォルド・コンテナの内側に縫いつけられる。
このコンテナには3つの役割があった。ロープを汚れから守り、ロープを踏みつけたときの保護、また床の鋭い角からの保護にもなった。




( 三角型にUH-1右舷床面に固定されたロープはくびきを介して下方へ垂れ下がる)

 機内側のロープ端は機体床面中央部にある6in×6in×5feet(15cm×15cm×1.5m)の木材を貫通して、床面に少なくとも3つのアンカーリングで固定されていた。
木材は3つの大きなリングがボルト留めされ、このリングはスナップリングで床面のアンカーリングに固定された。
20~30lbの重さがある砂袋がA7Aストラップの輪っかに結びつけられていて、ストラップはグリスウォルド・コンテナの外側にまくり上げられていた。
それぞれのヘリには通常3つのマクガイア・リグが搭載されていた。


 マクガイア・リグ システムはロープが肝心であった。適切なロープのメンテナンスがマクガイア・リグの信頼性を大きく左右した。1/2in径のナイロン製ロープの耐荷重は3600lbであった。数回の使用の後にロープは注意深く点検される。もし1組でもより線の損傷があれば、そのロープは破棄される。もし1組でもより線の損傷があれば、ロープ全体が弱体化してしまうのである。


 マクガイア・リグがヘリの床面に装着された後には、全長80Feet(約24m)のアルミ柱及び鋼製ワイヤーで出来たハシゴがマクガイア・リグの頭上に取り付けられた。
また35Feet長のハシゴも巻き上げられた状態でヘリの両サイドの、スキッドと床の間のスペースに据え付けられた。ハシゴの中央はヘリ床面のアンカーとスナップリンクによって固定された。
巻き上げられたハシゴ自体は床のアンカーリングに、ヒューイに元から装備されている普通のシートベルトによって保持された。ハシゴを投下するにはシートベルトを足で蹴っ飛ばしてオープンする。そのためハシゴを降ろす号令は“Kick the Ladders.”“ハシゴを蹴れ!”であった。
ハシゴが展開されチームがハシゴに掴まると、ヘリは上昇し彼らをジャングルから引き上げた。


 ハシゴによる抽出が出来ずマクガイア・リグを使用する決断が下された場合には、左舷の縄ハシゴは機内に引っ張り上げられると反対側に収容された。
ヘリクルーは床面の鋭い外側の縁からロープを保護するためにグリスウォルド・コンテナを展開する。キャンバス生地の布をヘリの外へと垂らして、床の鋭角とロープとの間がキャンバスにより保護されることを確かめる。


 ヘリが偵察チーム頭上の100Feet以下に降下するとすぐ、回収ヘリクルーは各砂袋を持ち上げると、それらを投下する。
落下する砂袋の重さに引っ張られたロープとマクガイア・リグは、もの凄い速さで地上めがけて落ちてゆく。
偵察チームは落ちてくる砂袋をかわさなくてはならない。


 プロジェクト・デルタにおける偵察チームは基本的にグリーンベレー2名と南ベトナム特殊部隊4名から構成され、マクガイア・リグによりチームを抽出するには2機のヒューイを要した。
プロジェクト・デルタの偵察任務では、マクガイア・リグは作戦基本手順(原文ではRecon SOP:Standard Operation Procedure)では、まず最初のヘリが3名のベトナム人を抽出し、次のヘリでアメリカ人2名と残りのベトナム人を引き上げることになっていた。
アメリカ人は無線機を運搬するため常に最後まで待たなくてはならなかった。


 作戦基本手順はまた、M16やCAR-15のキャリングハンドルをスナップリングで銃口が全貌を向くようにLDEに吊るよう提示していた。
こうすることで、隊員は必要に応じて抽出時にも片手で反撃が出来るようになった。


 LZに砂袋がドスンと落下すると、最初の3人はそこに駆け寄りマクガイア・リグを手にすると、A7Aの一番下にあるストラップ・ロープに彼らのラックサックをスナップリンクでくくりつける。ラックサックは外して別に吊す訳である。
そして手綱を左手に持ちマクガイア・リグのリングに足をかけ3人とも準備が整うと、ロープを揺らして機上のヘリクルーへと合図を伝える。
抽出要員のNCOはパイロットにリフトオフの命令を出す。ヘリが上昇するとロープは締まり、3人はマクガイア・リグに座る姿勢を取るのである。
離陸すると彼らは腕と脚をリグに支えられて飛び上がり、ヘリの100Feet 下を空中に浮く1つの塊と化した。
ロープが撃たれた場合に備えて、隊員はそれぞれの腕や脚を互いに支え合った。
FOBへの帰り道、比較的安全でひらけている地帯を発見したときや、もしくはヘリが予備燃料をキャビン内に搭載してきた場合などでヘリは一旦着陸した。
そういった場合隊員はマクガイア・リグを降りてヘリに乗り込むことが出来る。
もし着陸出来そうな場所がなければ、偵察チームは基地までずっと吊されることになる。
たった3inの幅しかないナイロン帯に体が食い込むので、長時間の使用に伴う疲労は並大抵の物ではない。


 帰投まで残り1時間を過ぎてからの期間以降もリグに吊されっぱなしということは、大して珍しいことではなかった。
プロジェクト・デルタの偵察任務が行われた作戦区域はUH-1D/Hの最大行動半径の位置にあったのである。
燃料を満載して出撃しても、ヒューイは燃料の制約上、作戦空域に最大15分しか残ることができなかった。
もし回収に15分以上かかってしまった場合には、帰路で一旦着陸しチームを収容することができず、FOBに直行することになってしまう。
もしこうなった場合、ヘリは“ビンゴフュエル”になる前に辛うじてFOBに到達することはできるものの、隊員はFOBまでずっとマクガイア・リグに吊されることになってしまうのだ。


 ヘリに搭乗している回収要員のNCOはマチェットを機内に持ち込んだ。離陸時に隊員が樹木に絡まってしまった場合にロープを切断するためである。
また、もしヒューイに異常が発生して高度が下がり始めたときには、マクガイア・リグに吊られる隊員が森林の樹冠に達したところで、なんと回収要員のNCOはマチェットでロープを切ってしまうのだという。
これは隊員の間で交わされた“自分たちが落ちた上にヘリが降ってくるより、地面や木に落ちる方がまだ生存のチャンスがある”という合意の上での取り決めによるものであった。


 マクガイア・リグがあまりにも苦痛でしんどかったためにSOGは1969年にSTABOハーネスを発明した。
プロジェクト・デルタの偵察チームでもSTABOハーネスを採用したいという申請があったものの、これは却下されてしまった。
兵站の観点からして、プロジェクト・デルタの部隊規模にSTABOハーネスが割に合ってないと判断されたのである。
プロジェクト・デルタに参加するすべての隊員、偵察チームだけでなくロードランナー、BDAに就くヌン族、レンジャーなど全体に緊急脱出の能力を付与出来なければならない。
もしプロジェクト・デルタがSTABOハーネスを採用しようものなら、数百ものSTABOハーネスを準備する必要がある。
しかしマクガイア・リグならは、プロジェクト・デルタは全体で20~30組ほどを揃えておけばよく、容易に制作できるので足りなくても必要な分はすぐに用意できる。


 STABOハーネスはパラシュート降下用のハーネスに似た形状のハーネスである。
A7Aナイロンストラップによく似た素材で出来ており、2本のストラップを背中でX字にクロスし縫い合わせてハーネスとしている。装備を自由につけることができ、抽出以外の際もLDEのようにフィールドギアとしての使用が可能である。
しかし、STABOハーネスは製作に時間がかかるうえ、コストも高い。STABOハーネスはS、M、Lサイズが製作された。


 抽出を行う際、2本のストラップをハーネス前方のDリングにフックをかけ、股をくぐらせる。
リグの腰に位置する部分にM1956ピストルベルトを通すようになっており、ベルトはタイトに固定される。
肩部にある2つのDリングはヘリから降ろされたロープをフックで固定するためのものである。


 STABOハーネスとマクガイア・リグを比較したとき、STABOハーネスが大きく勝っている点は快適性であった。
抽出されているときの乗り心地がマクガイア・リグより優れていた。
対照的に、マクガイア・リグを抽出に使用する場合は、抽出までの作戦中隊員はヘトヘトにならずに済んだ。


 マクガイア・リグはヘリ側に装備されているので、STABOのように作戦地域に携行する必要がなかった。
STABOハーネスはM1956 LBEより重量がかさむ。そのうえ自重に加えアンモポーチ、グレネード、キャンティーンなどの重量がのしかかるが、これを数日間装備し続けると体への負担が通常のHハーネスよりも大きかった。
重たいラックサックとの相性もまた悪かった。(負担を軽減するため現地制作かもともと付属したのかは分からないが肩パッドが取りつけられたCISOラックサックやSTABOハーネスが存在した。また、ベトナム戦後のSTABOハーネスには肩の部分にシリコンが封入された。そのため多少なりともフィットするようにはなっている。それでも構造上、同じ重さでも肩には鋭く負担がかかる)


 マクガイア・リグは必要になったときには必ずそこにある。ハーネス自体がヘリに搭載されているため、ヘリさえやって来れば抽出の条件が整うからだ。
対してSTABOは、もしも作戦中に装備ごと投棄したり紛失したりしてしまったならば、隊員はハーネスによる抽出の機会を無くしてしまう。
その点でマクガイア・リグはより確実性がある方法と言えるだろう。


 また、NVAの制服を身にまとうロードランナーたちに、STABOハーネスを装備させる訳にもいかなかった。(と書かれているが実際SOGは普通にNVAの服とSTABOを併用している。)


 プロジェクト・デルタは最後までマクガイア・リグを使用し続けた。
快適性にこそ難はあったものの、マクガイア・リグは安価で信頼性に富み、効果的なシステムであった。
まさに必要に駆られているこのようなタイミングで革新的なシステムを考案したチャールズ T. マクガイア上級軍曹は、何百人ものアメリカ人、ベトナム人、部族たちから、この信頼できるシステムのおかげで命があり、戦い続けられることを感謝され続けたのである。  

Posted by ながせ(Kingbee) at 23:57Comments(3)McGuire Rig

2014年01月26日

マクガイア・リグとSTABOハーネスの比較

 (関連記事)
  
  マクガイア・リグ その特徴と運用




(SOGのトレードマーク H-34から降ろされたマクガイア・リグから見た光景)

プロジェクトデルタマクガイアリグが開発されると、SOGでもすぐに使われ始めました。

最大30mの高さでホバリングしたままチームを回収できるマクガイア・リグはすぐに成果をあげ、多くの隊員の命を救うこととなりました。

しかし先の記事にもあったように、隊員たちに極度のストレスと苦痛を与える、細い帯状の構造

そして負傷者など自分で姿勢を保てない者を運搬できないという欠点も浮上しました。






マクガイア・リグに代わる抽出具を渇望したSOGはやがて、1969年STABOハーネスを開発し運用を始めます。

これを見て「プロジェクト・デルタの偵察チームでもSTABOハーネスを採用しよう」という声が上がりました。

しかしこの提案は却下されてしまったそうです。

コストが高く制作時間も長いSTABOハーネスを、プロジェクト・デルタ全体に行き渡らせるのは不可能と判断されました。






(なんかSF映画っぽい)

というのも、プロジェクト・デルタにおいては、参加するすべての隊員・・・偵察チーム、BDAに就くヌン族、レンジャーなど

全ての隊員に対して緊急脱出できる能力を付与する必要があったからです。

個人装備の一部に組み込まれるSTABOハーネスは全員に行き渡る数を用意しないとなりません。

しかしあらかじめヘリに用意されているマクガイア・リグならは、プロジェクト・デルタ全体で20~30組ほどを揃えておけばok

一度に抽出に向かうヘリがマクガイア・リグを積んでさえいれば事足ります。

仕事は同じSTABOとマクガイア・リグですが、一番性格が異なるのはここですね。

また、もしヘリごと撃墜されたり人数が増えて不足しても、容易に制作できるので必要な分はすぐに用意できるとの判断でした。





STABOハーネスは快適性でマクガイア・リグに大きく勝っていました。

釣られているとき、マクガイア・リグは痛い上に1時間ずーっとバランスとってなきゃなりませんが

対するSTABOは、ただ釣られてるだけ。



STABOは吊られてる間でも両手がフリーであるという利点がありました。

地上の敵に対し反撃することが可能です。



対するマクガイア・リグは乗っているあいだ、隊員は自分のリグやほかの隊員のリグにつかまって、

自分が落下しないよう神経を尖らせながらバランスをとり続ける必要があります。

このような状態では片手で銃を持つことはできても、狙って当てる余裕などないでしょう。




作戦中、マクガイア・リグは地上にいちいち抽出具を携行する必要がありません。

マクガイア・リグは必要になったときには必ずそこにある確実性があります。

対してSTABOの場合、もしも作戦中に装備ごとパージしてしまったならば、隊員は抽出のチャンスを失うことになります。

(とは言ったものの、そんなことするシチュエーションあるのだろうか? パージすんのせいぜいラックサックだけだろうし)

STABOハーネスはM1956 LBEより重い上、M1956サスより細いですから、より肩に喰い込みます。

数日間装備し続けるとなると、この差は結構大きいかもしれません。

STABOはラックサックとの相性も良くなかったらしいです。

一部の実物STABOハーネスには肩の部分にシリコンが封入されてるものがあったりもします。
(追記:一部の実物、ではなくてベトナム戦争後に使用されたSTABOハーネス)

またラックサックのように、STABOに肩パッドを自作してつけてる隊員もたまーに見られたりします。
(そもそも自作ではなくてそのまま最初からついてたモデルもあったのではないかと)




(よくみるとSTABO装備してる……ってか、こんなガタイの良いNVAがいただろうかね!
 トレイルで勤務したNVAは南方の日本兵のように、みな栄養失調でガリガリだったのだから)

あとデルタのSTABO採用反対理由に

「ロードランナー達はNVAの制服を身にまとうのに、STABOハーネスを装備させるのってどうなの?外見的に不自然じゃね?」


的なのもあったとか。

いっぽうのSOGはと言うと、黒装備だろうとNVAだろうと何ら気にせず装備してんですけどね。







て訳で、こんな要因もあったりなかったりして、1969年にSOGはSTABOへとシフト

プロデは依然としてマクガイア・リグに頼る という構図が出来上がったのでした。  

Posted by ながせ(Kingbee) at 23:19Comments(4)STABO RigMcGuire Rig

2012年12月26日

特殊部隊におけるMcGuire rigの使用について

今回は抽出具、マクガイア・リグについて解説していきたいと思います。



(1969年 MaiLoc にて McGuire Rigのトレーニングを行う3人のプロジェクトデルタ攻撃隊員)

マクガイア・リグ(McGuire Rig)は、ジャングルから隊員をすくい上げるための抽出システムです。

STABOハーネスと違って、すべてのモジュールがヘリコプターにあらかじめ搭載してある状態で準備してあります。


MACVSOGのイメージが根強い(というかSOGしか採用してないし)STABOハーネスに対し

マクガイア・リグはグリーンベレーが色が強いとでも言いましょうか。

有名な「B-52 プロジェクト・デルタ」で使われ続けた、もうひとつの抽出具です。

時系列的には、STABOハーネスより数年早く登場しています。

そう、大雑把に言えばマクガイア・リグはSTABOの原点。

これ無くしてSTABOを語ることはできないのです。

サバゲやコスプレで再現されない(つか、できない)もんだから、マクガイア・リグの影の薄さったらもう。

でも諸事情あってSTABOを採用しなかったデルタでは、特に重宝されていたとか。






A 170th AHC UH-1D bird going into a bamboo hover hole for an extraction
(抽出のため竹藪でホバリングする第170強襲ヘリコプター中隊(.2)のUH-1D“ヒューイ”)


越境作戦のため敵地に浸透したリーコンチーム(以降略称RT)が危険にさらされた場合、RTを敵地から迅速に回収しなければなりません。

回収はヘリコプターによって行われます。しかし作戦区域は背丈の高い樹木が生い茂る熱帯雨林です。

必ずしも安全に着陸できるようなLZに恵まれるとは限りません。



(抽出ラダー 絶対怖い タマヒュンするわ)

着陸できない場合は縄ハシゴを降ろし、隊員をしがみつかせて抽出します。

ハリウッド映画みたいな光景ですが、頻繁に行われていた抽出方法の1つだったようです。

このハシゴの長さは約10mしかなく、RTがいる地表から少なくとも10m以下の高度でホバリングできる条件でなくては使用できません。

そのため現場は必然的に、さらに背の高いジャングルに対応可能な抽出システムを渇望し始めます。







そこで開発されたのがマクガイア・リグでした。当時としては非常に画期的なシステムでした。

リグには3人一組になって、ブランコのように乗ります。

手綱が各リグに1本ついていますのでこれ、もしくはリグ自体を掴み、バランスをとります。

準備が整ったらヘリに合図を送り、ヘリは垂直上昇して隊員をジャングルから抽出。晴れて脱出というわけです。

隊員は互いの腕と脚を支え合って、もし敵の射撃でリグのうち1本が切れたとしても隊員が落下してしまわないよう備えます。





最大30mの高さでホバリングしたままチームを回収できるこのシステムはすぐに成果をあげ、多くの隊員の命を救うこととなりました。


しかし一方でマクガイア・リグに対する問題も浮かび上がってきます。





一番下の隊員に注目   ↑ストラップが太ももに喰い込んでいます。

こんなふうに、隊員たちは長時間、細いストラップが喰い込む苦痛に耐えなくてはなりませんでした。

余裕があれば一旦さら地に隊員を降ろして積み直すことも可能ですが

実際はビンゴフュエルすれすれでの帰還が多かったようです。

そのため隊員はほとんどの場合、基地までの道中1時間ずっとマクガイア・リグに吊られっぱなしなのでした。






マクガイア・リグに乗る隊員は常にストラップに掴まって、バランスをとり続けなくてはなりませんでした。

(STABOもそうでしょうが)3人つかまってないと空中ブランコみたく永遠に回り続けるでしょうね。

もしヘリがジャングルから隊員を吸い上げるときに、隊員が木に叩きつけられたら...

ケガは避けられないでしょうし、最悪地上に真っ逆さまなんてことも。

実際NVA側でも、落下したと思われるグリーンベレーやヤードの遺体がいくつも確認されているそうです。



ノーマン・ドニ―一等軍曹という人物がリグに吊革をつける改造をしたらしいですが、それでも隊員の落下は防げませんでした。
(一番上の画像で左の隊員が持ってる吊り革みたいなの A7Aストラップとか言うらしい コルセアⅡ?)




シーナイトですね。

海兵隊での使用例もあったということでしょうか。

(追記 : SOGは慢性的なヘリの不足を補うために、海兵隊にもヘリを差し出すよう要請をしていました)

製作が容易な上に装着の改装も簡単でした。(キャビン床面のドーナツリングにくくりつけるだけでok)






こんな状態で1時間も時速200kmで飛び続けるなんて想像しただけで恐ろしいです。

そもそも呼吸できるのでしょうかねこれ。風寒くない?指の感覚間違いなく無くなるわ…。






マクガイアリグのブランコの一番下には砂袋がついています。

ヘリのクルーが偵察隊員たちの位置目掛けてリグを投下するとき

リグが風に流されず、狙った場所にまっすぐ落ちるようにするための重りです。





マクガイア上級軍曹

マクガイア・リグを考案した人物は プロジェクト・デルタに所属していたチャールズ・T・ マクガイア上級軍曹でした。

彼が生み出したマクガイア・リグは快適性に難はあったものの、安価で信頼性に富んだ、優れた抽出システムとして評価され

SOGやプロジェクト・デルタに重宝されてゆきます。 特にデルタは最後までマクガイア・リグを使用し続けました。



そしてこの数年後、彼の発案はより先鋭化され、STABOハーネスへと進化していきます。




まだ記事をかかえてますが、いつになるやら。

STABO関連の記事はもう2~3増えそうです。乞うご期待。  

Posted by ながせ(Kingbee) at 21:23Comments(0)McGuire Rig